歯周病って何? 歯周病とは文字通り歯を支えている周りの組織の病気です。歯周病は、歯垢が原因で歯ぐきに炎症ができる歯肉炎と、その炎症がさらに進んで歯を支えている骨にまで及んだ歯周炎の二つの段階があります。 歯ぐきが炎症を起こして腫れると、歯と歯の間に「歯周ポケット」と呼ばれる隙間ができます。 これが1歯肉炎の段階。さらにその隙間が深くなって、歯の土台を作っている骨が縮むようになるのが2歯周炎で、最後は歯が抜け落ちてしまいます。 現在の日本では、中年以降の人のほとんどが歯周病の症状が見られると言われます。日頃から歯のメンテナンスを心がけましょう。 原因は? 歯周病の原因の一つが歯垢で、プラークと呼ばれます。 歯垢は歯についている白いノリ状のもので、粘着性があるためうがいで落とすことはできません。プラークは、はっきり言えば食べかすが「バイ菌の塊」に変わったものです。 全部が細菌とその代謝産物で、わずか1mgの塊の中に300種以上、1億の細菌がいると言われます!! このプラーク、初めのうちは無害な常在菌ですが、古くなって含有酸素がなくなってくると、病原性が高くなるのです。 つまり、古くなる前に塊を壊してしまうことが大切なんです。つまりはプラークコントロールが大切なのです。 一方、唾液などに含まれているカルシウムやリンがプラークに入って、次第に石のように硬くなったものが歯石です。硬くなると歯ブラシでは取れないので、歯医者さんで取ってもらいましょう。 歯石自体に害はそれほど内のですが、歯ぐきの下についていると、タチの悪い細菌の住みかになってしまいます。
歯肉炎(1段階目) 歯肉炎は、すでにご紹介したとおり、歯ぐきが炎症を起こしている状態を指します。 ひどく疲れたときなど、急に歯ぐきが腫れて強い痛みに悩まされたことはありませんか? これは細菌に感染したことによって引き起こされる炎症です。 人間の口の中には、もともと細菌がたくさん存在しています。プラークコントロールができていないと、口の中は細菌の繁殖には実に好都合な環境となってしまいます。 元来、人間の体には細菌の感染を防ぐ仕組みが備わっています。 でも、老化やストレス、疲労、喫煙などの生活習慣などによって抵抗力が低下すると、細菌に感染しやすくなってしまいます。 歯肉炎が極度に疲れているときや、ストレスがたまっているときに出やすいのは、このためなのです。 プラークコントロールとともに、日頃の生活の見直しも大切です。 歯周炎(2段階目) 歯周炎は、細菌の活動によって歯と歯ぐきをくっつけている結合組織が破壊されて、歯周ポケットと呼ばれる溝が深くなってしまう病気です。 歯周ポケットが深くなると歯ブラシが届かなくなって、歯垢や歯石がたまって炎症が続く状態になってしまいます。すると、歯周組織が次々に破壊されて悪循環をきたし、やがて歯が崩れ落ちてしまうのです。 歯と歯ぐきの結合組織が破壊されると、それに合わせて歯の根っこを支えている歯槽骨という骨が吸収さてしまいます。 つまり、歯を支えている基礎がなくなってしまうのですから、歯は次第にグラグラし始めて、最終的には抜け落ちてしまうのです。 歯周病によって歯を失ってしまうメカニズムはおわかりになったでしょうか?